03-01 Apacheソース版のインストール

前回は開発環境を整えてSLを走らせました。

あなたのサーバーでもSLが元気よく動きましたか?

この講座ではApacheのソースコードをダウンロードしてインストールをしていきます。

「こうすればすんなりインストールできる」ではなくて、「つまずいた時にはどう対処すればいいのか」というところを重点に講座を進めていきます。

ですから、Apacheソース版を効率よくインストール方法はあなた自身でまとめてください。

ダウンロードディレクトリ

LinuxやUNIXの世界では、/usr/local/srcにソースコードをダウンロードすることが慣例になっています。

カレントディレクトリを/usr/local/srcに移します。

cd /usr/local/src

Apache用ダウンロードディレクトリの作成

ここでApache用のディレクトリを作成して、

sudo mkdir apache

apacheのオーナーとグループをlinux8weeksに変更します。

sudo chown linux8weeks:linux8weeks apache

カレントディレクトリをapacheに変更します。

cd apache

動画講座 Apacheのビルド&インストール

Apacheソースコードのダウンロード

Apacheのソースは、Apache Software Foundation (ASF)のダウンロードベージからダウンロードします。

ダウンロードするApacheのバージョンは最新版をインストール。

Apache2.4系をインストールするために以下のソースコードを合わせてダウンロードする必要があります。

  • Apache Portable Runtime
  • Apache Portable Runtime Utility

動画では理化学研究所のFTPサーバーからソースコードをダウンロードしています。

  • apr-1.x.x.tar.gz(apr/
  • apr-util-1.x.x.tar.gz(apr/
  • httpd-2.x.xx.tar.gz(httpd/

ダウンロード方法については動画の1分27秒を参照してください。

ソースコード、圧縮ファイルの解凍

配布されているソースファイルは、複数のファイルやディレクトリが一つのファイルに固められて、圧縮された形で配布されています

拡張子tar.gzを解凍

tar -xvzf ファイル名

動画の例ではtar.gzの拡張子がついたファイルをダウンロードしておりますので、

tar -xvzf apr-1.7.0.tar.gz

とすることでaprを解凍することができます。

同様にapr-util-1.x.x.tar.gzとhttpd-2.4.xx.tar.gzを解凍してください。

拡張子tar.bz2を解凍

bzip2形式の圧縮ファイルを解凍する場合は、以下のように解凍します。

tar -xvjf apr-1.7.0.tar.bz2

tar.gzの時はtarのオプションに「-xvzf」と付けましたが、圧縮率の高いbzip2形式ではオプションが「-xvjf」となります。

Apacheのインストール手順

Apache2.4系は次の順番でインストールを行います。

  • apr(Apache Portable Runtime)
  • apr-util(Apache Portable Runtime Utility)
  • httpd(Apache Web Server)

apr-1.x.xのインストール

解凍したapr-1.x.xのディレクトリにcdします。

cd apr-1.x.x

次にconfigureします。

./configure \
–prefix=/usr/local/apache/apr

configureでシステムの環境をチェックすると以下のように表示されます。

rm: cannot remove ‘libtoolT’: No such file or directory

このままでもコンパイルすることはできますがconfigureを修正します。

vi configure

viのコマンドモードの状態でcfgfileという文字列を検索します。

/cfgfile

検索結果の中に以下のように記述された箇所があると思います。

$RM “$cfgfile“

この記述を以下のように修正します。

$RM -f “$cfgfile“

修正後、保存してください。先ほどのconfigureで作られたMakefile、全ての結果を削除するために以下のように入力してください。

make distclean

もう一度configureします。

./configure \
–prefix=/usr/local/apache/apr

先ほどのようなメッセージが表示されることなく完了すると思います。configureの次はmakeです。

make

makeが完了したらaprをインストールします。

インストールは管理者権限が必要なので、コマンドの前にsudoを付けて実行します。

sudo make install

インストールが完了したら/usr/local/apache/aprの中身を確認してみましょう。

ll /usr/local/apache/apr
drwxr-xr-x 2 root root 4096 5月 7 15:43 bin
drwxr-xr-x 2 root root 4096 5月 7 15:43 build-1
drwxr-xr-x 3 root root 4096 3月 5 13:33 include
drwxr-xr-x 3 root root 4096 5月 7 15:43 lib

apr-util-1.x.xのインストール

解凍したapr-utilのディレクトリにcdします。

例ではapr-util-1.x.xと書いていますが、ダウンロードしたバージョンに置き換えて操作を進めてください。

cd /usr/local/src/apache/apr-util-1.x.x

次にconfigureをします。

./configure \
–prefix=/usr/local/apache/apr-util \
–with-apr=/usr/local/apache/apr

configureの次はmake。

make

結果はこのように表示されると思います。

xml/apr_xml.c35:19: 致命的エラー: expat.h: そのようなファイルやディレクトリはありません

expat.hというヘッダーファイルが含まれるパッケージを探しyumでインストールします。

yum provides \*/expat.h

結果の中にexpat-develというパッケージが表示され、インストールすると/usr/include/expat.hにインストールされることが分かります。

expat-develをインストールします。

sudo yum install expat-devel

make distcleanでconfigureで作られたMakefileなどを削除します。

make distclean

再度configureをして、

./configure \
–prefix=/usr/local/apache/apr-util \
–with-apr=/usr/local/apache/apr

makeします。

make

makeの結果、先ほどの致命的エラーが表示されていなければインストールすることができます。

sudo make install

インストールされたディレクトリをllコマンドで確認してみましょう。

ll /usr/local/apache/apr-util

httpd-2.4.xxのconfigure

Apacheをconfigureする際に必要なパッケージを事前にインストールしておきます。

sudo yum install pcre-devel openssl-devel

ダウンロードしたApacheのソースコードのディレクトリにcdして、

cd /usr/local/src/apache/httpd-2.4.xx

以下に表示されているコンパイルオプションをコピーしてペーストします。

./configure \
--prefix=/usr/local/apache \
--sysconfdir=/etc/httpd/conf \
--with-apr=/usr/local/apache/apr \
--with-apr-util=/usr/local/apache/apr-util \
--with-suexec-caller=www-data \
--with-suexec-docroot=/var/www \
--with-suexec-syslog \
--with-suexec-uidmin=500 \
--with-suexec-gidmin=100 \
--with-pcre \
--with-ssl \
--enable-mpms-shared=all \
--enable-suexec --with-suexec \
--enable-suexec-capabilities \
--enable-mods-shared=all \
--enable-ssl \
--enable-pie \
--enable-proxy \
--enable-cache \
--enable-disk-cache \
--enable-cgid --enable-cgi \
--enable-authn-anon \
--enable-authn-alias \
--without-suexec-logfile \
--disable-distcache \
--disable-imagemap

今回はApache本体と設定ファイルは別のディレクトリに設置します。

  • Apache本体・・・・・・・・/usr/local/apache
  • Apache設定ファイル・・・・/etc/httpd/conf

エラーなく終了したらmakeを行います。

make

make終了後にApacheをインストール。

sudo make install

これでApacheのインストールは完了です。

次はこの講座でインストールしたApacheを起動していきます。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

おすすめ記事

  1. 【多段SSH】公開鍵認証で中継サーバー経由のログインが簡単!

  2. インターネットに繋いだサーバーで最初にやらなければならない設定

  3. Swapアウトしているプロセスを特定する方法

  4. Linuxを極めるならコマンドよりも〇〇が先だ!!

  5. お名前ドットコムのDNS設定方法